目次
はじめに
注文住宅の間取りは、暮らしやすさや家族の暮らし方にかかわるものです。
そこでこの記事では、これから注文住宅を建てたいと考えている方が知っておくと役に立つであろう”間取りのタイプ”について解説していきたいと思います。
快適で暮らしやすい住まいを実現させるために、この記事を参考にしていただきたいと思います。
1.注文住宅の間取りにはどのようなタイプがあるのか?
間取りをタイプ分けしたときの言葉に、「ぶどう型」「りんご型」というものがあります。
これは、くだものの形の特徴を間取りに見立てた呼び方であり、次に「ぶどう型」「りんご型」それぞれの特徴を解説していきます。
・「ぶどう型」の間取りとは
これは、リビング・キッチン・寝室など各部屋が区切られ、廊下でつながっている間取りで、廊下をぶどうの枝、各部屋をぶどうの実に見立てた呼び方です。
廊下があり、その周囲にリビング、和室、ダイニング、キッチンなどと、部屋が目的ごとに分けられているのが特徴で、昭和の国民的なアニメ「サザエさん」に出てくる家のようなイメージです。
建築の教科書に載っているような呼び方ですと、「中廊下型」といったりします。これは中央部の廊下を介して各部屋同士を行き来する作りだからですね。
かつて日本の住宅では個室の概念がなく、食事するのも寝るのも「茶の間」というのが主流でした。
しかし、戦後欧米の生活水準に近づけようと日本の住宅の近代化を進める中で、畳から板間へ、座布団から椅子へ、夫婦と子供の寝室を分けてと変化した結果が「ぶどう型」の間取りだったとも言えるでしょう。
ぶどう型は各部屋の人がいるところだけを局所的に冷暖房すればいいので、断熱性能や気密性能が低くてもなんとかなります。昔は部屋と廊下で寒暖差があったものですが、このような背景があったのですね。
このように、日本では戦後長らく「ぶどう型」の住宅が一般的でした。
出典:kosya33
・「りんご型」の間取りとは
時代が変化するにつれ、前述の「ぶどう型」も人々の暮らしとともに少しずつ変化していきます。2000年代ごろから家族観や生活スタイルが変化し、家族で過ごす「居間」に重きが置かれるようになりました。
この時代の流れの中で生まれたのが「りんご型」の間取りといえるでしょう。
家族のコミュニケーションを大切にするようになった結果生まれたのが、居間を中心とする「りんご型」であり、端的なイメージをあげると大きなワンルームのような空間です。
技術の進歩もあり、キッチン、ダイニング、リビングをひとつにつなげて大空間にし、家族が快適に同じ空間で過ごせるようになりました。
家族で過ごす時間を大切にする、家族のコミュニケーションをとりやすくするという考え方が背景にありますので、あえて廊下を作らず、家族がいるリビングを通って子供部屋に行ったり、居間に階段をつけるリビング階段の間取りにする場合もあります。
現在ではリビングはずいぶんと開放的になり、吹き抜けがあるお宅も増えています。和室を隣接させ、引き戸を開ければリビングと一体になり、さらに空間を広く使うことができるケースも多いです。
また、廊下がほとんどないので、同じ面積でも無駄が少なく、広く感じられます。
出典:TBSハウジング
2.現在の主流はりんご型の間取り

前述した通り、日本では家族観の変化から、家族で過ごす「居間」を重視する考え方を背景に、「りんご型」の間取りを採用することが増えてきています。
ここからは、「りんご型」が支持されている理由について解説していきます。
りんご型が支持される理由とは
・空間の広がりを感じやすい
リビング・ダイニング・キッチンなどが大きな一つの空間になりますので、視線の抜け感を利用して実際の面積以上の広がりを感じることができます。
さらに吹抜けも作れば、横方向だけではなく縦方向にも空間の広がりを作り出すことができます。
・エアコン台数を少なくできる
りんご型の家にしますと、エアコン台数を減らして家中を快適にすることができます。かつての「ぶどう型」のように個室がそれぞれ独立していると各部屋に一台ずつのエアコンが必要になりますが、大きな空間を駆使することで、エアコンの台数を減らすことができます。(注意:後でふれますが、住宅の性能によって必要台数が変わることも考えられます)
・家族のコミュニケーションが増える
現在の家づくりでは、お子様にリビング学習をさせたい、オープンなスペースに家族誰でも使えるスタディスペースをつくりたい、お子さんが個室にこもらないようにするためにベッドさえ置ければいいなど、家族の時間をリビングで過ごしたいと考える方が多くなっています。
そのため、家族が自然と集まるような空間を意識した間取りが増えています。
これは、リビングを家の中心に据え、キッチン、ダイニング、スタディスペースを一体化・隣接させる間取りとして具体化されています。吹き抜けやスケルトン階段などを採用し、空間のつながりや開放感を高める工夫も人気です。家族の気配を常に感じられることで、コミュニケーションが自然と生まれる住まいが増えています。
・使用するスペースの自由度が高まる
お家を個室ごとに区切るのではなく、間仕切りや建具でゆるやかに分けたり、お子様が小さいうちはフリースペースとして広く使い、個室が必要になった時に壁を立てるなど、その時々に合わせた使い方ができますので、ライフスタイルに合わせて空間の使い道を変化させられます。そのため、「りんご型」は将来的に空き部屋が発生しにくい間取りといえるでしょう。
限られたスペースを有効活用したり、自由な空間の使い方ができることも「りんご型」の魅力です。
このフレキシブルな設計は、家族構成の変化や在宅ワークなど、多様なライフスタイルに柔軟に対応できる大きなメリットとなります。コストを抑えつつ、質の高い家族の時間と自由な空間を実現できます。
3.「りんご型」の間取りに注意点はあるのか
良いとろばかりに見える「りんご型」の間取りですが、デメリットはあるのでしょうか?ここからは、りんご型の間取りの注意点とともに、快適な住まい環境をつくるためのポイントを解説していきます。
・「りんご型」の間取りには高い住宅性能が必須
住宅性能とは、断熱性や気密性、耐震性のことです。空間がゆるやかにつながっているりんご型の間取りにとって、住宅性能は重視するべき大切なポイントです。室内の空気は性質上、暖められた空気は天井付近に、冷気は足元に留まりやすくなります。気密性が低く隙間が多い住宅ですと外気が室内に入ってくるため、断熱も機能しにくく外気の影響をもろに受けてしい、夏は暑く冬は寒いといった家になってしまうのです。
そこで大切なのが住宅性能です。高断熱高気密住宅であれば、家じゅうの室温が一定に保たれるため、年間を通して快適な温度で過ごせるでしょう。「りんご型」のような開放的な間取りを求めるのならば、高い住宅性能は欠かせない要素といえます。
・音が出る家電の配置に配慮する
りんご型の間取りは各部屋が細かく壁で仕切られていないため、洗濯機やテレビの音といった生活音が気になってしまう場合もあります。寝室や子どもの勉強スペース付近には大きな音が出る家電を配置しないなど、間取りを決める際には配慮しておきましょう。
・家族間のプライバシーに配慮する
「りんご型」の間取りは、家族との距離が近くに感じられ、安心感を得やすいという特徴がある分、プライバシーの確保がしづらいといったデメリットがあります。お子さんの成長とともにパーソナルスペースの確保が必要になった場合は、棚やカーテンなどで仕切りをつくる、簡易的な壁をつくるなどといった空間を個室化する工夫をするとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「りんご型」の間取りとそのメリットについてご確認いただけたのではないでしょうか。これから注文住宅の建築を検討されている方は、ぜひ「りんご型」のプランニングを得意とする万代ホームでご相談ください。
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