熊本市は九州の中央あって、国内に20ある政令指定都市のひとつ。人口は九州で3番めです。ランドマークともいえる熊本城の東側に広がる繁華街は九州では有数の賑やかさ。九州新幹線の停車駅もありますし、地の利もあって九州各県へのアクセスがよい場所です。そんな都市らしい側面がありながら、実は上水道は100%地下水を利用。これは人口50万人以上の都市では世界でも唯一ということです。この地下水は阿蘇からの伏流水がもとになっており、清らかな水が豊富に湧き出る「水の都」といわれることもあります。都市ならではの充実した機能を享受しつつ、週末や休日には自然の中でゆったりと過ごすことができる自然環境があるところが魅力といえるでしょう。
市の中心部は、日本三名城のひとつでもある熊本城を中心に発展してきた旧城下町がベースです。九州でも有数の長さ1km以上にもなるアーケード街、市役所や県庁など官公庁が集まるエリア、日本最大規模のバスターミナル、デパートなどの商業施設が集積。ビジネス、ショッピング、飲食など必要なものが十分に揃う都市機能がコンパクトにまとまっています。
また、先述のような「水の都」ならではの自然の身近さも熊本市の大きな特徴。江津湖や水前寺成趣園など、地下水が湧き出る場所が市街中心部から周辺に点在しており、市民の憩いの場となっています。
目次
他の都市へのアクセス

そして、九州の中央部に位置することから各地へのアクセスが非常によいことも、熊本市の特徴でしょう。
高速道路も発達しており、都市間を結ぶ高速バスもたくさん運行されていますので、九州内の主要都市へのアクセスをするにも非常に便利な土地柄です。
他にも九州新幹線が通っており、九州新幹線は山陽新幹線経由で新大阪駅まで直通するみずほとさくら、九州内で運行するつばめが走っていますので、博多駅までは最速約33分、鹿児島中央駅までは最速約48分でアクセスすることができます。
熊本駅から主要駅への所要時間は次のとおりです。
博多駅(九州新幹線)約33分、
長崎駅(新幹線・JR特急)約2時間、
大分駅(新幹線・JR特急)約2時間15分、
宮崎駅(新幹線・高速バス)約2時間40分、
鹿児島中央駅(新幹線)48分
また、阿蘇くまもと空港も市内中心部から車で約40分程度の場所にあることから、東京(羽田)、成田、大阪(伊丹)、名古屋(中部・小牧)などへの航空便も手軽に利用することができます。
阿蘇くまもと空港への主要空港からの所要時間は次の通りです。
羽田空港・約1時間55分、
伊丹空港・約1時間10分、
中部国際空港・約1時間25分
なお、熊本駅から東側の中心街へは熊本市電が通っていて、熊本城やアーケード街、水前寺成趣園などの市内主要スポットへのアクセスがとても手軽にできるようになっています。
出典:マドリーム
熊本市の各区の住みやすさ
政令指定都市である熊本市は5つの区で構成されていて、アットホームの「熊本県民に聞く!熊本県内で住みやすい自治体ランキング」では上位10位以内に各区がエントリーしています。次はそれを元に各区の住みやすさについて見ていきましょう。
・熊本市中央区
熊本市の中でも最大規模の区です。公共交通機関が充実していて、JR豊肥本線をはじめ熊本市電の健軍線や熊本電鉄も停車する便利なエリア。総合病院や大学のほか、百貨店・ホームセンター・スーパーなど、さまざまな施設が集中しています。複合商業施設「サクラマチクマモト」や南九州一の商店街といわれる「上通アーケード」・「下通アーケード」もあり、買い物環境が充実。
さらには「熊本城」や「水前寺成趣園」のほか、美術館・博物館といった文化施設もたくさんある熊本の中心的な地区です。
・熊本市南区
南区は有明海に面し、熊本市の中心街でもある中央区に隣接して、繁華街に近いエリアでもあります。一方で東西を横切るように流れる一級河川「加勢川」や「緑川」などを中心として、広大な田園に湿地、小さな山林も広がる、豊富な自然にも恵まれています。
また、工業団地や流通団地も形成するほど、製造業・運輸業が発達した区でもあります。JR路線沿いをはじめ、各種商業店舗が点在する便利な市街地もあって、区の北東部には大型ショッピングモール「ゆめタウンはません」が立地。こうした緑豊かな環境と買い物などの便利さを両立できるところが魅力です。
実際に住んでいる人のお気に入りの理由として、中央区や西区、東区にアクセスしやすい、静かで治安もいい、おいしい食べ物屋さんが多い、などがあがっていました。
・熊本市西区
区の中心には「金峰山」があり、南東側には「白川」が流れていて、西側は「有明海」と接しています。これらの山や川による自然に恵まれた区です。
「金峰山」から東を見ると熊本中心市街や「阿蘇山」、「有明海」側は長崎県の「雲仙普賢岳」や「天草諸島」を望むことができます。山の中腹には夏目漱石の「草枕」の一節にもなったとされる茶屋がある「峠の茶屋公園」もあります。
周辺は住宅街のため全体的に静かで落ち着いた雰囲気のある街です。学校や公園も多いため特にファミリー層におすすめの街といえます。一方で熊本駅周辺には大型の商業施設「アミュプラザくまもと」などもあり、買い物にも便利です。
交通の便が良く、買い物もなんでも揃う、落ち着いていて住みやすい、といった魅力があります。
・熊本市東区
福岡・鹿児島まで続く九州縦貫自動車道や阿蘇方面に向かう国体道路が走っていて、車での移動が便利な地域でもあります。なお、公共交通機関は主に市電の健軍線の利用が可能です。
基本的には住宅街が多い区ですが各所にショッピングモールなどもあり、生活の利便性には申し分ありません。さらに「熊本市動植物園」や「水前寺江津湖公園」といったお出かけスポットがあるほか、「熊本県民総合運動公園」では日常的にさまざまなイベントも開催。
自治体としては子育て支援にも力を入れており、小さなお子さん向きのサポートも積極的におこなわれています。
・熊本市北区
北区の特徴は、広大な面積と自然環境の豊かさ、そして都市機能とのバランスが図られている点です。区南部は計画的に開発された住宅地が広がり、区北部では農業が盛んに行われているなど、多様な土地利用がみられます。また、八景水谷水源や立田山など、豊かな自然が近くに存在することも魅力の一つです。
出典:アットホーム
参考コラム:熊本県の土地相場は?今後の推移や注文住宅を建てる際の土地探しのコツも紹介
子育てなどのサポート

全国20の政令指定都市の中でも、熊本市は「15歳未満人口構成」「出生率」「病床数「医師数」「男性・女性の平均寿命」といった指標で、いずれも上位5都市にはいるなど、安心して住める要素が数多くあります。
そこで、ここでは子育て世帯にとって住みやすさを感じられる施策をピックアップしていきたいと思います。詳しくは、章末に記載の参考コラムもぜひご覧いただきたいと思います。
・子育て支援優良企業
子育て世帯が安心して子育てと仕事を両立できる、働きやすい職場環境の整備を進める企業を「子育て支援優良企業」として熊本市が認定。働く時間と子育てなどのプライベートな時間とをバランスよく保ち、やりがいや充実感を持って働くことができる企業の目安としています。
・熊本市 結婚・子育て応援サイト
結婚・妊娠・出産・子育てなどのライフステージに応じて必要な情報を検索しやすい仕組みづくりを行い、市民の利便性の向上を図ることを目的としたサイト。結婚・妊娠・出産・子育てに関する市民からのよくある質問と回答の紹介、ライフステージ別に各種制度の概要やイベント情報などを紹介、保育園の空き状況検索、おでかけマップなどの機能があります。
出典:結婚・子育て応援サイト
・ようこそ赤ちゃんプロジェクト
子育て家庭の経済的支援として10万円を現金で支給するとともに、妊娠、出産、子育てに関して伴走型で相談支援を行うプロジェクトです。
参考:熊本市 【旧】「ようこそ赤ちゃんプロジェクト」(伴走型相談支援及び出産・子育て応援給付金)について
参考コラム:熊本市で受けられる補助金は?住宅関連から子育て世帯にうれしい助成まで
参考コラム:熊本市は子育てしやすい街!エリアの特徴や支援制度サポートをご紹介
以上、熊本市の暮らしやすさの要因について各方面から考察してみました。
この記事が、皆さまのお役に立てれば幸いです。