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熊本市の土地相場推移状況
熊本市の平均地価は、ほぼ横ばいという程度ですが2015年頃からじわじわと上がり始め、昨年は前年比で3.86%の上昇が確認されています。2021年ごろからは上昇が目立ち始め、この10年で坪単価の平均は約1.4倍程度になっています。以上の状況から、全体的に上昇傾向といえそうです。
近年まで全体的に価格は横ばいの傾向で推移し、菊陽町周辺の人気が比較的高い状況が続いていましたが、2021年末以降、更に菊陽町の周辺、特に北区、東区で子育て世代向けの物件に一層人気が集まり、地価が上昇しています。
熊本市の近年の土地相場推移の要因

<2021年以前>
・微増ではあるが横ばい傾向
この時期の熊本市の土地の価格は、わずかに上昇傾向ではあるものの、ほぼ横這いといってもよい程度の価格推移でした。
<2021年以降>
・TSMC進出による需要
2021年10月に世界最大級の半導体メーカーである台湾のTSMCが隣接する菊陽町への工場新設を発表し、菊陽町の周辺、特に北区、東区で子育て世代向けの新築物件用の土地に一層人気が集まり、地価が上昇しています。
加えて、工場勤務の単身者向けにアパート経営を始める投資家もいて、一層の地価上昇を引き起こしています。 菊陽町は8割以上が市街化調整区域(住宅や商業施設が抑制されている区域)のため住宅用地の不足が深刻となっている事と、他の半導体関連企業の進出がすでに決定している背景がある事から、今後も周辺市街地である熊本市の特に北区、東区の子育て世代向けの3LDK以上の一戸建て(築古・中古)の需要が強まるのではないかとみられています。
TSMCの進出は、背景に国の支援策があってのものなので、今後長期間にわたっての操業が期待でき、影響を受けた地域の地価も、そうそう下落する事はないだろうと予測されています。
熊本市で人気のエリア

それでは、熊本市で人気があるエリアはどのあたりでしょうか。
2024年のアットホームによる「熊本県民に聞く!熊本県内で住みやすい自治体ランキング 」をみてみましょう。
・熊本県民に聞く!熊本県内で住みやすい自治体ランキング
- 熊本市中央区
- 熊本市南区
- 熊本市西区
- 熊本市東区
- 合志市
- 荒尾市
- 八代市
- 菊池郡菊陽町
- 熊本市北区
- 宇城市
1位は熊本市中央区で、その名のとおり熊本市の中心地です。人口約18.6万人、10.3万世帯ほどが暮らしており(2024年5月時点)、熊本市の中でも最大クラスの規模を誇ります。公共交通機関も充実していて、JR豊肥本線をはじめ熊本市電の健軍線や熊本電鉄も停車する便利なエリア。総合病院や大学のほか、百貨店・ホームセンター・スーパーなど、さまざまな施設が集中しています。複合商業施設「サクラマチクマモト」や南九州一の商店街といわれる「上通アーケード」・「下通アーケード」もあり、買い物環境が充実。
さらには「熊本城」や「水前寺成趣園」のほか、美術館・博物館といった文化施設も豊富にあり、人の集まりやすい賑やかな街です。また、町内自治会による地域コミュニティにも力を入れており、行事やイベントなども盛んに実施されています。
やはりというか、お気に入りの理由として、交通の便が良い、学校の選択肢が広がる、商業施設が多くお店に困らない…などの声が多いようです。
2位は熊本市南区です。
熊本県南区は、熊本市南端部にある有明海に面した、人口約13.2万人の自治体です(2024年5月時点)。熊本県の中心街でもある中央区に隣接しており、県内の繁華街に近いエリアでもあります。一方で東西を横切るように流れる一級河川「加勢川」や「緑川」などを中心として、広大な田園に湿地、小さな山林も広がる、豊富な自然にも恵まれています。「木原不動尊」や「六殿神社楼門」などの日本古来の神社仏閣の他、「塚原古墳群」といった歴史的文化財も多くあるのが特徴です。
熊本市では工業団地や流通団地も形成するほど、製造業・運輸業が発達した区でもあります。鉄道路線沿いをはじめ、各種商業店舗が点在する便利な市街地も整っており、区の北東部には大型ショッピングモール「ゆめタウンはません」が立地。こうした緑豊かな環境と生活利便性のバランスのよさから、前年7位から大幅にランクアップし、今回は第2位として高い人気を集めています。
南区のお気に入りの理由として、中央区や西区、東区にアクセスしやすい、静かで治安もいい、おいしい食べ物屋さんが多い、などがあがっていました。
3位は熊本市西区です。
熊本市の西部に位置する区で、人口約9万人です(2024年5月時点)。区の中心には「金峰山」があり、南東側には「白川」が流れていて、西側は「有明海」と接しています。これらの山や川による自然に恵まれた街です。
「金峰山」から東を見ると熊本中心市街や「阿蘇山」、「有明海」側は長崎県の「雲仙普賢岳」や「天草諸島」を望むことができます。山の中腹には夏目漱石の「草枕」の一節にもなったとされる茶屋がある「峠の茶屋公園」もあります。
周辺は住宅街のため全体的に静かで落ち着いた雰囲気のある街です。学校や公園も多いため特にファミリー層におすすめの街といえます。熊本駅周辺には大型の商業施設「アミュプラザくまもと」などもあり、買い物にも便利です。
西区のお気に入りの理由として、「主要駅があり交通の便が良く、買い物もなんでも揃う」といったものや「街中にもすぐいけて、落ち着いた環境、道路も整備されている」「そんなに騒がしい街でもなく 住みやすい」などがあげられています。
4位は熊本市東区です。
第1位の中央区と同等の規模を誇る、人口約18.9万人・8.4万世帯ほどが住むエリアです(2024年5月時点)。福岡・鹿児島まで続く九州縦貫自動車道や阿蘇方面に向かう国体道路が走っている地域で、車で移動しやすい地域でもあります。なお、公共交通機関は主に市電の健軍線の利用が可能です。
基本的には住宅街ですが各所にショッピングモールなどもあり、生活の利便性には申し分ありません。さらに「熊本市動植物園」や「水前寺江津湖公園」といったお出かけスポットがあるほか、「熊本県民総合運動公園」では日常的にさまざまなイベントも開催。
自治体としては子育て支援にも力を入れており、小さなお子さん向きのサポートも積極的におこなわれています。
東区のお気に入りの理由として、「閑静な住宅街が広がってる」「そこそこ都会で便利だし、どこか出かける時も丁度いい場所」などがあがっています。
9位に熊本市北区がランクインしています。
熊本市北区は人口13.9万人ほどが住むエリアです。北区の特徴は、広大な面積と自然環境の豊かさ、そして都市機能とのバランスが図られている点です。区南部は計画的に開発された住宅地が広がり、区北部では農業が盛んに行われているなど、多様な土地利用がみられます。また、八景水谷水源や立田山など、豊かな自然が近くに存在することも魅力の一つです。
出典:アットホーム 熊本県民に聞く!熊本県内で住みやすい自治体ランキング
熊本市であなたにおすすめのエリアは?

それでは住宅建築にあたり、どのようなエリアがあなたにおすすめといえるでしょうか。
ポイントとなりやすい平均坪単価と各区の利便性の面から特徴をあげてみたいと思います。
熊本市中央区
・平均坪単価 約107.8万円
・土地の坪単価の高さは熊本市区の中で一番。
・車がなくても公共の乗り物で移動が便利な場所も多い。
・学校が一番多いのも中央区。いろいろな学校に通いやすい。
・百貨店・下通アーケード・上通アーケードなどを始めとしてお店が多く、お買い物に便利。
・新しい分譲地が出にくいエリアなので、いい土地に巡り合えたらご縁を大切に。
熊本市南区
・平均坪単価 約21.9万円
・中央区や西区、東区にアクセスしやすい。
・静かで環境が良い
熊本市西区
・平均坪単価 約29.3万円
・主要駅があり比較的交通の便が良い。
・北区・南区より主要駅にも近く中央区・東区に比べ人口が少ない。
熊本市東区
・平均坪単価 約27.9万円
・周辺に江津湖や動植物園などの家族で出かけやすいスポットがある。
・住宅街が閑静。
熊本市北区
・平均坪単価 約18.5万円
・立田山など周辺に自然が多く、温泉地も多い。
・幼稚園から大学まで、多くの教育機関が立地しており、子育て世代にも住みやすい環境がある。
以上、熊本市における近年の土地の価格推移位状況や人気度と等についてまとめてみました。
参考になれば幸いです。