目次
はじめに
近年、平屋が人気です。人口動態的に高齢化が進んでいることや、近年日本で大きな災害に見舞われることが多いことも影響しているかもしれません。
平屋の間取りは、ワンフロアで生活が完結しますので、高齢になってもバリアフリーで暮らしやすい、家事動線がシンプルで効率的、家族間のコミュニケーションが取りやすい、地震や台風に強い、メンテナンス費用を抑えられるなど、たくさんの魅力があります。
この記事では、平屋の特性を踏まえてメリットやデメリットをわかりやすく解説し、熊本での坪単価にも触れていきます。
平屋の間取りの魅力とは
平屋は2階以上のフロアがないので、リビング、台所、浴室、トイレ、居室などの全てがワンフロアにまとまっています。ここからは平屋の持つ魅力についてご紹介していきます。
家事動線がシンプル
平屋は1階と2階を行き来する必要がないことから、片付けや掃除などの家事の際も行き来の労力が不要で、より効率的な生活動線・家事動線をつくることができます。特に家族それぞれの部屋の掃除や、洗う・干す・しまうという複数の工程がある洗濯の際に、動線のよさを実感できるでしょう。
家事動線がシンプルになると、効率的な間取りをつくりやすくなります。例えば、生活動線上に洗濯機と物干しスペースをつなげたランドリールームやファミリークローゼットをつくれば、家族の服や持ち物をまとめて収納することも可能です。
家族のコミュニケーションが取りやすい
平屋は階段がなく生活動線がシンプルなことから、家族が顔を合わせやすく、家族間のコミュニケーションも増える傾向があります。
また、平屋はリビングを中心に居室を配置する間取りをつくりやすいため、家族が各自の部屋にいてもお互いの様子が自然と分かり、家族間のコミュニケ―ションを取りやすいのも大きな魅力です。別室にいてもドアの音や気配を感じられるので、安心感を感じやすくなります。
玄関から子ども部屋へ行く際にリビングを通る間取りにすれば、家族が自然と顔を合わせやすくなります。お子さんが難しい年齢にあたる時期も、リビングを通るときの様子がわかるので安心です。
地震や台風に強い
地震発生時、建物は高いほど揺れの影響を受けます。平屋は高さが低いため、建物にかかる地震荷重が少なく構造的に安定しており、地震の影響を受けにくいという特徴があります。台風などの強風でも、2階建て以上の建物と比べると風の影響が少なくなります。また、急に地震や火災が発生した際は、窓やドアから外へ避難しやすい点もメリットのひとつです。地震や台風の災害に対しては影響を受けにくいといえるでしょう。
メンテナンス費用を抑えられる
注文住宅は、建てた後も一定期間ごとのメンテナンスが必要になります。特に費用がかかる屋根や外壁の塗装やメンテナンスは、劣化した外観の改善だけでなく、防水性を高めて建物内部の躯体を守る重要な意味があります。平屋は屋根や外壁のメンテナンスで2階建てのように高い足場を組む必要がないうえ、外壁の面積も少ないことから、コストを抑えることができます。
さらに、ワンフロアに水回りがまとまっているため水回りの配管メンテナンスでも作業効率が良く、かかる費用を抑えることができます。
光熱費の節約
平屋は全ての部屋がワンフロアに収まっているため、2階建てと比べて冷暖房の効率が良いといわれています。高断熱・高気密の住宅であればさらに冷暖房の効率が良くなり、少ない光熱費でも快適に暮らせるでしょう。
また、平屋は2階建てと比べて屋根が大きいため、太陽光パネルを設置しやすい点もメリットのひとつ。太陽光で家庭の電気をまかなうことで、光熱費を大きく節約できるでしょう。
バリアフリーに適している
平屋はバリアフリー住宅に適しています。まず、階段を上り下りする必要がないため、移動の負担や転倒のリスクが減ります。さらに、2階建てよりも室内温度を一定に保ちやすいため、温度差によるヒートショックを防ぎやすい住空間といえます。
平屋の注意点とは

収納スペースが少なくなりやすい
平屋は2階建てに比べて収納スペースが限られやすくなります。そのため、設計段階から収納スペースを意識しておきましょう。
2階建てと比べると広い土地が必要
2階建て、3階建ての住宅に比べ、平屋の注文住宅には広い敷地が必要になります。厚生労働省では「住生活基本計画における誘導居住面積水準」という戸建て住宅での世帯の人数数別の面積水準を作っており、世帯人数ごとの面積水準は以下のようになっています。
一人世帯…約17坪(55㎡)
二人世帯…約23坪(75㎡)
三人世帯…約30坪(100㎡)
四人世帯…約38坪(125㎡)
さらに用途地域に該当し、建ぺい率が指定されている場合は、建ぺい率を考慮した広さの土地が必要です。また土地は広くなるほど固定資産税が高額になることも考慮しておきましょう。
加えて、中心部など利便性の高い地域に住みたいという希望がある場合は、広い土地が必要となる平屋を選ぶと土地取得にかかるコストが大きくなる点にも注意が必要です。
周囲の状況によっては採光がとりにくい場合がある
平屋は、2階建て以上に比べて建物の高さが低いため、周囲の建物や樹木に光を遮られやすく、日光が入りにくくなりがちです。特に、家の中心部は外に面する面が少ないため、日当たりが悪くなりやすくなります。
そのため、窓の配置や大きさ、吹き抜けなどを活用して、日当たりや通風を工夫する必要があるでしょう。
また、光熱費の項目でも述べましたが、平屋は通常2階建てよりも屋根が広く太陽光パネルも設置しやすい場合が多いです。ただし、周囲の環境によっては思うように日光が入らず、発電効率が悪いというケースも考えられます。太陽光パネルを設置する際は、施工会社と相談し、取付位置や角度をしっかりと調整することが大切です。
プライバシーの配慮が必要
平屋は居住スペースが全て1階にあるため、比較的道路や周囲の建物から見えやすくなります。プライバシーを確保するために、視線を遮るような家の配置や構造、窓の位置やサイズなどを工夫するとよいでしょう。
防犯面で注意が必要
先に挙げたプライバシー確保のために視線を遮る構造にするということは、不審者の侵入が周囲から見えづらくなることに繋がるという側面があります。
また、一般的に不審者は、2階以上の出入り口より1階の出入り口からの侵入が多いといわれています。当然ながら平屋はすべての開口部が1階にあるため、侵入経路が多いとみることもできるのです。
そのため、防犯対策としてセンサー付きライトを設置したり、音が鳴る砂利を敷く、窓を防犯ガラスにする、面格子を取り付けるなど、不審者が侵入しづらい状況をつくる工夫が大切です。
出典:ホームズ
熊本市の坪単価

既出ですが、平屋は2階建てや3階建てと比べて広い敷地が必要になります。
そこで、熊本市の土地の坪単価もあわせてみていきましょう。
・熊本市中央区 41万円/坪
・熊本市南区 14万円/坪
・熊本市西区 14万円/坪
・熊本市東区 25万円/坪
・熊本市北区 15.4万円/坪
このように、南区、西区、北区が熊本市の中では土地相場が低くなっています。熊本市で平屋を建てたいという方には、おすすめといえるのではないでしょうか。
参考コラム:熊本県の土地相場は?今後の推移や注文住宅を建てる際の土地探しのコツも紹介
まとめ
このように平屋は、その多くの魅力から、近年ますます人気が高まっています。この記事も参考にしていただき、ぜひご自身のライフスタイルに合った平屋ライフを実現していただきたいと思います。