目次
はじめに
注文住宅を建てたいと考えるようになったとき、多くの方が「どんな会社に依頼しようか」と考えるのではないでしょうか。
住宅をつくる会社といえば、ハウスメーカー、設計事務所、そして工務店があります。特に「工務店」は、地域に密着した存在である一方で、情報が少なく実態が見えにくいという印象を持たれがちです。「融通が利くという話も聞くが、それは本当なのか?」「建物の品質は問題ないのか?」「小さい会社が多いイメージがあるが、大丈夫なのか?」という心配をもつ方も多いでしょう。
そこでこのコラムでは、社員数100名前後くらいの規模の「地域の工務店」を対象に、建築を依頼する先としてのメリットやデメリットについて解説していきたいと思います。
また、熊本市の状況についてもふれていきますので、ご参考にしていただけたらと思います。
住宅の注文先にはどんなところがあるか
注文住宅を建てる際の依頼先としては、ハウスメーカーや工務店、設計事務所などがあります。どこに依頼するかを選定するにあたっては、まずはこの違いを知っておくことが入り口になるでしょう。
そこでこのパートでは、それぞれの特徴を比較できるよう、それぞれの違いについて解説していきたいと思います。
・ハウスメーカー
テレビ CM を目にすることが多く、名前を知っている会社も多いのではないでしょうか。また、立派な住宅展示場で営業さんが説明してくれることも多いですよね。
ハウスメーカーは広告宣伝費に多くの費用を割くビジネスモデルであり、建てる建物の費用の約30~50%が広告や営業にかかる経費と言われます。
これは決して悪いことではなく、そういうビジネスモデルであるということです。ハウスメーカーは多くの広告宣伝費や営業費用が掛かる代わりに、規格商品をたくさん生産することによって部材などのコストを下げ、多くの顧客に住宅を販売しています。
数多くの住宅を建てるスケールメリットと、商品の規格を作ることで効率がよい家づくりを実現している点がハウスメーカーの長所なのです。ですから、気に入った商品があれば、施主にとってはメリットが大きいといえます。
逆にいうと規格がある程度決まっていますので、設計の自由度が低い点がデメリットといえます。
・設計事務所
設計事務所は、建物の設計を請け負いますが、一般的に施工はしません。普通は提携の工務店が施工を行います。
設計士が建主の希望や条件に合わせたプランを立て、住宅設計をします。設計士と一から打ち合わせをして設計図を完成させていくので、デザイン性が高いオリジナリティのある住宅を建てたい人におすすめの依頼先です。
注意点としては、設計事務所に依頼する場合は、建築費用以外に10~20%程度の設計料がかかります。(このパーセンテージは事務所によって異なります)また、一から打ち合わせをして作り上げていく分、ハウスメーカーや工務店へ依頼するのに比べて、設計図が完成するまでに時間が長くかかるケースが多い点も注意点として頭に入れておきましょう。
・工務店
ハウスメーカーと比較してみたとき、どのような違いがあるのかといえば、
一番異なる点は企業規模だといえます。
工務店は小規模な会社が多く、営業拠点が複数あるところでも、施工エリアは市内や県内、近隣の県までなど、ハウスメーカーに比べると地域密着色が強いという特徴があります。
また、ハウスメーカーほどがっちりと規格が決まっているわけではないことから、間取りやデザインの自由度は少し高めで、工期も違いが出る場合があります。メーカーよりも小規模であることからアフターメンテナンスなども違いが出やすいといった特徴があります。
出典:ホームズ
工務店で家を建てるメリット

工務店で注文住宅を建てる主なメリットは、設計の自由度が高いこと、コストパフォーマンスが良いこと、そして地域に根ざした柔軟な対応やサポートが期待できることです。家族構成やライフスタイルに合わせて理想の間取りやデザインを実現しやすく、ハウスメーカーのような広告宣伝費がかからないため、費用を抑えられる傾向があります。また、地域の気候風土に合った家づくりが得意で、きめ細やかな対応やトラブル時の柔軟なサポートを期待できる点も強みです。
設計の自由度が高い
工務店は、施工の自由度の高さが魅力です。ハウスメーカーのように工法や規格がしっかり決まったているわけではなく、建主の希望に合わせて作り上げていきます。ただし、フランチャイズ型の工務店の場合、一定の規格が設けられている場合もあるため、依頼先を決める前に要チェックです。
コストを抑えやすい
建築費用をなるべく抑えたい人には、工務店がおすすめです。ハウスメーカーは広告費や人件費が多めにかかるため、工務店に比べて建設費用が高くなりやすい特徴があります。また設計事務所に依頼すると、建築費以外に設計料が必要です。一方で、工務店では設計から施工までを自社で一貫しておこなうことが多く、こういった費用の負担が比較的抑えられるのも特徴です。
地域に根ざしたサポート体制
地域密着型の工務店は、施工するエリアが限られている場合がほとんど。その分、全国展開のハウスメーカーと比較するとフットワークが軽く、万一のトラブルでもメーカーよりも迅速に対応してもらえる可能性が高まります。
出典:suumo
工務店で家を建てるデメリット
メンテナンス費用が負担になる
大量生産している規格商品と比較して、特別な仕様にしているとメンテナンス費用が負担になることもあります。住宅のプランを立てる際はメンテナンス時のことも考慮し、修理が必要になった場合のコストも確認し想定しておくことをおすすめします。
職人によって品質に差が出る
ハウスメーカーのように規格化された建材や工法とは異なり、その性質上、木造の在来工法は職人の技量によって品質に差が出ることもあります。工務店に依頼する際は施工実績や口コミを確認したり、機会があれば見学会などで施工中の様子を見させてもらうのもおすすめです。
完成後のイメージがしにくい
工務店は、ハウスメーカーと違って住宅展示場などにモデルハウスを設けていることが少なく、設計中に完成後のイメージがしづらいことがあります。また、ハウスメーカーのようなパンフレットもないことが多いです。そこで、具体的にイメージをするために、完成見学会や現場の見学会などがないか担当者に相談してみるのも効果的でしょう。
熊本市のエリア状況
現在注文住宅を検討している場合、熊本市に住んでいる方は熊本市やその周辺で新築を建てたいと考えている方が多いのではないでしょうか。
そこで、ここからはこれから新築をと考えている方に向けて、熊本市のエリアの状況にふれてみたいと思います。
熊本市中央区
平均坪単価 約107.8万円。
熊本市の中心であり、土地の坪単価の高さは熊本市区の中で一番です。
熊本市西区
平均坪単価 約29.3万円。
熊本市区の中で2番目の平均坪単価です。熊本駅や上熊本駅など主要駅があり比較的交通の便が良いところです。とくに、近年は熊本駅周辺の再開発が盛んで、人気のエリアです。
熊本市東区
平均坪単価 約27.9万円。
熊本市区の中で3番目の平均坪単価です。周辺に江津湖や動植物園などの家族で出かけやすいスポットが多いエリアでもあります。
また、このあたりの住宅街は閑静なところが多い印象です。
熊本市南区
平均坪単価 約21.9万円。
位置的に中央区や西区、東区にアクセスしやすく、静かで環境が良いところが多い印象です。
熊本市北区
平均坪単価 約18.5万円。
立田山など周辺に自然が多いエリアで、北の方に温泉地も多くあります。
合志市
平均坪単価 約19.4万円。
TSMC進出の影響もあり、人気があります。子育て支援が充実しており、なんと全国1位に輝いた実績も。子育て世帯には注目のエリアです。
菊陽町
平均坪単価 約26.5万円。
TSMC進出の影響もあり、人気が非常に高いエリアです。
まとめ
以上、工務店で注文住宅を建てるメリットと、熊本市周辺のエリア情報をまとめてみました。今後のお家づくりにお役立ていただけたら幸いです。